任意売却で自己破産はできるか

任意売却後に自己破産はできるの?

任意売却とはローンが払えない時や家を手放さなければいけない時に用いる手段で、競売される場合に比べて市場価値に近い金額を得ることができます。

しかし、任意売却がうまく行ってもお金が足りなければ自己破産を余儀なくされるかもしれません

任意売却後の自己破産は可能なのでしょうか?それとも不可能なのでしょうか?

 

任意売却後に自己破産はできるの?

任意売却後の自己破産は可能です。ただし場合によってはできないこともありますから自己破産を考えたら一度当社へご相談にいらしてください。
任意売却後の自己破産については主にこの3つの場合が考えられます。

 

オーバーローンで借り入れを払いきれなかった

原因として任意売却をしてもローンの返済に足りなかった場合

任意売却であれば競売よりも高い価格での売却が可能ですが、それでもローンを賄えず残債が支払い不能に陥ることは時にあります。

任意売却によりオーバーローンは免れたけど新たな借り入れが必要になった

任意売却によりローンを払えない危機は脱したが、病気や失業などで新たな借り入れを利用して自己破産をする場合
この場合は不公平な弁済である偏頗弁済(へんぱべんさい)※1によって自己破産を認めてもらえないように感じますが、ローンの支払い後の借り入れなので自己破産が可能です。

※1〔偏頗弁済とは〕
自己破産は債務を全て帳消しにする手続きですが、債務の免責が認められない免責不許可事由というものがあります。免責不許可事由といえばギャンブルや浪費というイメージがありますね。
しかし、自己破産は公平な弁済を求めるためある特定の債務者にだけ偏った弁済をした場合は免責されない恐れがあります。このような弁済の仕方を偏頗弁済と言います。

ここまでの2パターンは任意売却まで他の債権者がいない場合です。

 

任意売却を決めたときに住宅ローンの他に消費者金融などで多重債務をしている

まず、任意売却により得たお金を住宅ローンの債権者に優先的に返済することに関しては抵当権(優先的に弁済される権利)が設定されているので問題ありません。

住宅ローンが残ってしまった場合や他の消費者金融などの債務については任意売却後に支払い不能の状態であれば自己破産が可能です。

次に任意売却の利益でローンを完済できた場合は差し引きで残った金額だけを自己破産時に他の債権者へ均等に弁済すれば事足ります。よって、任意売却のお金がローンを支払っても残った場合はそのお金を特定の債権者にだけ払わないよう気をつけてください。

少なくとも任意売却による住宅ローン会社への返済は免責不許可事由である偏頗弁済に当たりません。

 

自己破産の前に任意売却をした方が良い理由

任意売却を考えている場合は必ず自己破産の後に行いましょう。
自己破産の前に任意売却すべき理由はこちら>

理由①任意売却ができないかもしれない

自己破産をした場合財産は管財人に管理されます。そして競売にかけられることが一般的です。中には管財人が任意売却で不動産を処分するケースもありますがそれは管財人次第です。できれば自己破産前により良い条件の任意売却をしておきたいです。

理由②任意売却で自己破産を防げるかもしれない

任意売却は競売に比べて倍近くの価格で売れる可能性があれます。競売はとにかく売れれば何でも良いというスタンスのため市場価格の6~7割で決まってしまうのです。

ということはたとえ抵当権の行使により競売になりそうな場合であっても任意売却を選ぶことにより自己破産を防げるかもしれません。もし、任意売却でローンを完済しきることができれば借金問題が解決します。

理由③当面の生活資金や自己破産の費用をまかなえる

任意売却によって得たお金で弁護士費用を賄うことができます。自己破産の場合は財産を全て弁済に充てるため先に任意売却しておかないと手元にお金が残せなくなってしまいます。

自己破産をしても99万円以下の現金を手元に残せます。生活資金や自己破産の費用、引越しの予算に充てる余裕はあると思われます。

理由④競売の時と比べて引っ越すまでに余裕がある

競売をした場合はすぐに立ち退かなければいけませんが、任意売却の場合は買い主との契約次第で引越しまでの期間を長くできますし、所有者様ご自身の意志で売却することができますので、引越しまでの日程を計画的に進める事が可能です。

理由⑤連帯保証人への迷惑を最小限に抑えられる

どうせ自己破産するなら任意売却などしなくて良いのではと思えますが、住宅ローンには連帯保証人が設定されている場合もあります。高値で売れやすい任意売却を自己破産前にしておけば仮に債務が残っても連帯保証人の負担を抑えられます。

自己破産の具体例

オーバーローンで破産

四人家族の40代サラリーマンの相談者は年収の減少や子供にかける費用などの問題でローンを払いきれなくなり任意売却を決断。しかし2000万円のローンに対して売却額は1200万円でした。結果、800万円の債務が残ったので自己破産を行いました。

生活をつなぐために借金したカードローンなどの借り入れも150万円ほどあったため、たとえ任意売却をしてもそれだけでは生活を賄えない状況でした。今は破産をしてからの再スタートを図れています。

連帯保証人が自己破産せずに済んだ

こちらの方は自営業で3500万円ほどのローンを抱えており、さらにカードローンなどの借り入れが800万円近くに登っていました。

このままでは住居が差し押さえられて競売になるという状況で任意売却を相談し、その結果3600万円での売却ができました。しかし、それでもカードローンの借金は払いきれず自己破産しました。

こちらのケースでは住宅ローンに関して連帯保証人がいたのですがカードローンに関しては連帯保証人が付いておらず、任意売却を選んだことによって連帯保証人が自己破産せずにすむことができました。

できれば債務者自身が弁済できることが望ましいですが、そうできない事情があるものです。それでも連帯保証人の負担が減らせるならそれに越したことはありません。

自己破産の前にご相談を!

自己破産目前という時にはおそらく督促を何回もされローンの滞納が続いていることと予想されます。このままの状態であれば住宅を差し押さえられて競売になってしまうでしょう。

また、自己破産をした場合でも競売になって手元にお金を残せないことが考えられます。
自己破産前の任意売却によってご相談者様の人生の再スタートが大幅変わってきます。住宅ローン問題を解決したいならすぐにご相談くださいませ。

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